WIREDの実際の記事はこちら(2012年10月19日公開)
>WIRED「How Virtual Pop Star Hatsune Miku Blew Up in Japan」


記事がかなり長文であるため一部省略しつつ適当訳
バーチャルポップスター初音ミクはいかにして日本で成功したか
ジェイムズ・ベリーニ 2012年10月19日
(写真)3000人のファンが集まった初音ミクのシンガポールコンサート
シンガポールの初音ミクコンサートは、一般のコンサートと同じように始まった。開演時刻になると、観客たちはジャスティン・ビーバーやマイリー・サイラスを待つかのようにキャーキャーと叫んだ。バンドの演奏をバックに小柄な主人公が現れた。しかしその姿はどこか奇妙である。中世絵画の中の赤ん坊がそのまま育ったとでもいえようか。若者たちの歓声が大きくなった。
初音ミクは日本でしか生まれ得なかった新奇な存在だ。彼女は人間ではなく、ホログラムのバーチャルアイドルであり、多数の人間によって作られ、今も成長し続けるソフトウェアである。バックバンドは人間の生演奏だが、ミク自身は映像にすぎない。小鳥のような歌声は、何千マイルも離れた場所でプログラムされたものである。
ミクはバーチャルだが、そのために嫌われることはない。むしろ日本ではそれが好まれている。実際のところミクはセガのソニックよりも人気がある。そしてこれは日本だけの話ではない。2011年のシンガポールコンサートは3000人のファンを集め、その半分以上が女性だった。彼女たちはミクのコスプレをしたり、携帯画面にミクを表示したり、手にしたミクの人形を振りながら、日本語の歌を合唱した。
一人の若者が言った。
「彼女の歌は心に響くんだ」
ネコミミ少女が言った。
「良い歌に人間かどうかは無関係よ」
13才のミクコスプレ少女はさらに過激だった。
「人間じゃないからいいの。彼女は死なないし、マイリー・サイラスみたいに酔っぱらったりしない」
この発言は、あるファンサイトで読んだ次の言葉を思い出させた。
「初音ミクは女神のようなものである。人間的な部分と、人の限界を超えた部分をあわせ持っている」
ミクはもともとマーケティング戦略の一環として生まれた。日本の企業や組織は、擬人化されたマスコットを持つことがよくある。たとえばNTTのドコモダケ(暗い顔をしたキノコ)や、警視庁のピーポくん(飛び跳ねるネズミのような怪物)だ。ミクはクリプトン社のマスコットである。同社はデジタル音源やCM効果音などの販売で成長し、トップ40にランクされる企業である。
2007年、クリプトン社長の伊藤博之は、ヤマハ社の開発したVOCALOID-2をどう売リ出せばよいか考えていた。旧バージョンのVOCALOID-1が売れなかった理由は、人間の声をうまく再現できなかったためと言われていたが、伊藤の考えは違った。日本人が求めているのは「あいどる」ではないか。そう確信した伊藤は、イラストレータのKEIにイメージを伝えた。可愛いけれど、少し尖っていて若者をひきつける感じ。年齢は16才、身長5フィート2インチ、体重92ポンドでお願いします。こうして生まれたミクは、細長い脚、地面すれすれの青いツインテール、コケティッシュな大きな瞳、腕にはコンピュータのモジュールを装着する姿となった。名前のミクは「未来」、ハツネは「初めての音」を意味する。
クリプトン社の小さなオフィスは札幌の大通りにある。さほど未来的な場所ではない。ロボットの助手もいなければ、ホログラフのミクが話しかけてくれたりもしない。会議室の窓にミクのフィギュアがちょこんと並んでいるだけだ。
ミクのファンたちと同じく、伊藤社長もミクが何者なのか説明するのは難しいようだった。オフィスで会った彼は、ミクはアイドルでもアニメのキャラクターでもないと言った。
「彼女は…初音ミクです」
背景ストーリーはあるのですか? 家族のことや、ボーカロイドになる前にしていたこととか?
「いや、ありません」
それが当然とでもいうように彼は言った。
「年齢、身長、体重と、このイラストだけです」
実は背景ストーリーを作る必要はないのだ。伊藤は、もしミクが人気を得れば、彼女のファンたちがストーリーを作ってくれることを知っていた。それは知的で美しく、かつ奇怪なフェチ趣味にあふれた驚異のオタク文化が、この国にあるからだ。彼らギークたちは、西洋風の有名人ではなく2Dキャラに夢中になる。人間のスターはやがて消えていくが、ハロー・キティやガンダムに代表されるキャラクターは、何年もその人気を保っている。アニメ、コミック、ビデオゲームからエロゲーまで、彼らの注目をあびた作品には多くのファンが集まり、それぞれの題材を元に無数の新しい動画や漫画やゲームやエロ画像を生む。これが日本の「二次創作」文化である。
★ここで、二次創作文化についての説明(長いので以下概略)
・東浩紀氏の「データベースモデル」が二次創作の広がりをうまく説明するという話
・MITのイアン・コンドリー教授の「キャラクターは創作のプラットフォームであり人々を結びつける土台となる」という話
・オタクの経済パワーの実例として、ガンダム人気に乗ったバンダイが急成長した話
・オタクはインターネットより古いが、インターネットがオタク文化を大きく広めた
・クリプトン社の作った創作交流サイト(ピアプロ)は、オープン当日の正午に早くも最初の投稿があった
・創作の連鎖は、ファッション、フィギュアドール、ゲームなど幅広い業界を巻き込んだ
・MMDが登場し、アニメーションやダンスの創作にも大きな影響を与えた
・そして多くの歌が生まれた。日本のiTunesでは3000以上のボカロ曲が売られている
・伊藤社長によれば何十万もの動画がYouTubeにアップされている
・日本のカラオケで最もリクエストの多い曲のひとつがボカロ曲である
男性ファンにとって、ヒラヒラした短いスカートは明らかに重要な問題だ
初音ミクは、さまざまな創作活動のきっかけを作ってきた。彼女の作品を通してプロデビューしたミュージシャンや、DJ、アニメ作家もいる。ミクの動画に登場した「あの楽器」をタッチスクリーン上で動作するソフトに仕上げた者もいる。すると今度はそれを実際の楽器として作る者が出てくる。
これはネット上の話にとどまらない。ミクが現実にどれほど浸透しているかを見たければ、オタク文化の中心地である秋葉原に行くとよい。そこはまさに映画ブレードランナーの世界だ。目がなれるにつれ、ビルのあちこちに並ぶ商品に気がつくだろう。耳障りなエレクトロニクス機器、コミック、人形、フェチ、ポルノ、ファッション。そのどこにでもミクがいる。ミクのゲーム、ミクのトランプ、ミクのヘアウィッグ。もっとも興味深い品々は書店の棚にある。ファンの一人であるなぎみそが描いたおしゃれな本は「みくよん」というタイトルで売られている。詩の雑誌「ユリイカ」が特集を組んでミクを論じている。ミク曲を集めたピアノ譜の表紙には、小さなピアノの前に座ったミクが描かれている。
秋葉原から地下鉄に乗って30分、そこにセガの本社がある。社の屋外にはミクを描いたトヨタのステーションワゴンが置いてある。2007年にミクと出会ったセガ社は、即座にその可能性を見抜き、クリプトン社と提携を結んだ。そしてすぐにミクを主人公とするゲーム、Poject-Divaを作り始めた。開発中のゲームの画像は、必ずミクファンたちに見てもらうことになっている(その中の数名はセガの社員だが、就業時間を終えたオフタイムにこの作業をおこなう)。デザインチームのリーダーである内海洋は、彼らのメガネにかなったものだけを採用する。
内海は言った。「彼らが初音ミクと認めたもの、それが初音ミクです」
特に驚くことではないが、無数の創作の連鎖は、ときには暴力やSMを含めた性的な方面にも広がりを見せる。必然的にミクのエロというジャンルが生まれた。日本ではどんなキャラクターも、この方向性から逃れることはできない。伊藤や内海はこのことを残念に思っていないのだろうか。だが彼らはこの点について、あまり悲観していなかった。セクシーな要素が人をひきつけるのは当然で、それは誰にも止められないことを、彼らは知っているのだ。イアン・コンドリー教授は言った。「多くの男性ファンにとってヒラヒラめくれる短いスカートが重要なのは明らかです。こうしたエロティカが好きなのは人間の特性のひとつです。そして人間ではない対象に人が感情を抱くこともよくあるのです。」
2011年の10月、コンドリー教授はMITに伊藤を招き、クリプトン社のビジネスモデルに関するディスカッションをおこなった。最初はミクのファンたちによる高度な創作活動の話から始まり、もしこれがディズニー社のような企業だったらどうなるか、おそらくディズニーのキャラクターを使った者はすぐに告訴されるだろうという話になった。コンドリー教授は言った。「ディスカッションの後に学生と話をしたのですが、彼はこうしたオープンソース的なありかたこそが、未来につながると確信していました」
このオープンソース的な考えをさらに進めて、ファンが作った曲を集めミクのライブ演奏会を開こうというのは、誰しも考えることだろう。だが伊藤は当初それは難しいと思っていた。実はすでに1980年代の中ごろ、日本の芸能プロダクションは伊達杏子というバーチャルアイドルを生み出していた(偶然だが、日本のバーチャルアイドルを題材とするウィリアム・ギブスンのSF小説「あいどる」も同時期に発表された)。杏子は実在の女性モデルから造形され、実在の歌手の声をサンプリングし、まるで本物の人間のように歌って踊れるアイドルだった。だが華麗にデビューした伊達杏子は、まったく人気が出ないまま終わった。杏子のリアルな姿を見た当時の人々は、ただ気味悪く感じるだけだった。
今のミクに対して人々が杏子と同じような拒否感を持たないのは、ミクがそれほど人間的でないからかもしれない。コンドリー教授がこの点について若者たちに質問したところ、次のような答えが返ってきたという。「彼女が人間でないことはわかっています。人間でない彼女が好きなのです。私たちの中には、人間より機械のほうが好きと言う者さえいます。」
彼女の最初のソロコンサートが開かれたのは2010年の東京で、チケットは完売した。それから6回のコンサートが開かれた。2011年の夏にはアニメエキスポの一部として、ロサンゼルスのノキアシアターでコンサートが開かれ、3000人の聴衆を集めた。90分の演奏とアクションを用意するために、クリプトン社とセガ社は半年以上の準備期間を必要とする。ほとんどの曲はファンの手で作られたものだが、その中のいくつかは意外にも優れた音楽性を持つ良曲である。歌詞については特に言うことはない。
最もすばらしいのは観客たちの行動だ。セガ社が撮影したコンサート映像をyoutubeでも見ることができる。それは驚くべき光景で、マーケティングとして非常に効果的である(あるリポーターはこれを見て彼女に会うため地球を半周しコンサートに行ったという)。だが実際にステージで見る彼女は、ただの5フィート2インチにすぎず、明るさもぼんやりしている。率直に言ってミクの姿は、漫画のシマリスが着飾って布シートに投影されているようにしか見えない。
バーチャルなスターという切り口も、特に目新しいものではない。今年4月のコーチェラ音楽祭では、トゥパック・シャクールの映像が舞台に投影され、Dr.ドレーやスヌープ・ドッグと共演した。この映像はジェイムズ・キャメロンが設立したデジタル・ドメイン社によるものだが、ミクの映像よりはるかに鮮明だった。基本的にはどちらもペッパーズ・ゴーストとして知られる原理によるもので、仕組みは一緒である。またデジタル・ドメイン社はバーチャル・エルヴィスの映像も手がけている。
とはいえ、ミクの姿がちっぽけなことも、布シートの投影像のように見えることも、シンガポールコンサートの観客にとっては何の問題にもならなかった。彼らにとって「実際に見える姿」はどうでもよかった。より重要なのは彼女への愛を表明することで、それは彼女を作った人々が思っていた以上に強い感情だった。彼らは互いの姿を見ながらサイリウムを振り、大いに盛り上がってコンサートを完成させたのだ。
私が失望を感じていたとき、それに共感してくれる少女が一人だけいた。彼女はまだ8才だった(そのため私と同様にミクをすんなり受け入れることができないでいた)。
観客の群れをよけて歩いていた私の袖をひいた少女は、難しい表情でこう聞いた。「ねえ、あれってロボットなの?」
ステージを指して少女がそう言ったとき、彼女の母親も私に気が付いたようだった。
私はボソボソと答えた。「いや、あれは…投影されたデジタル映像だよ」
少女の表情は変わらなかった。
私はさらに言った。「アニメみたいなものさ」
変わりなし。
「たとえば、そうだね…白雪姫とか」
母親が相槌をうった。「そう、映像なのよ」
少女は眉をしかめ、ギラギラ光る出口のライトをずっと見ていた。
ジェームズ・ベリーニはナイロビ在住で、今回の記事がWIREDへの初めての寄稿となります。
上記記事に対する反応はこちら(上記記事コメントより)
★★★[Aelita]
Aelitaといいます。みなさんよろしく。
私はボーカロイドコミュニティの一員です。あなたの記事を読ませてもらいました。私がこれから書くことをあなたは理解できないかもしれません。だとしても、私はどうしてもわかってほしいのです。
あなたもご承知のように、ボーカロイドの歌声はボイスシンセサイザーにより合成されたものです。そのことから、あなたはボーカロイドの曲が単なるプログラムの産物であり、人間的ではないと思ったのですね。
世間にはたくさんの人がいます。あなたは彼らをどれだけ知ってるでしょう? 近所の人もいれたら? 友達の友達までいれたら? さらに友達のお子さんまで考えると? でもどんなに範囲を広げても、結局あなたの知らない人は大勢います。彼らはそれぞれ名前を持ち、それぞれの暮らしを立てています。その中には自分の思いを歌にしたい人もいるでしょう。でもこれまで、その手段はほとんどありませんでした。商業音楽の現状を見れば、お金・セックス・暴力のことばかり。しかも誰もそれを止めようとしません。どうしてこうなったのでしょう? それは、ごく普通の人の歌をみんなに聞いてもらう場所がどこにもなかったからです。
どうかきちんと聞いてみてください。初音ミクを、巡音ルカを、鏡音リンを、鏡音レンを、KAITOを、MEIKOを、GUMIを、がくぽを、そのほか次々と登場する新しいボーカロイドの歌声を。そこには詩があります。人の思いがつまった言葉があります。
たとえばこの歌詞を見てください。
"I covered my ears and screamed out loud
something like 'Nobody understands!'
The truth is that, even if it's superficial,
I wanted so badly to be loved.
(誰も分かりあえないだとか
耳を塞ぎ喚いていた
本当は上辺だけだとしても
愛されていたかった)
If you find yourself not being what you want
to be, then pretend that you've gotten far
in life by mending yourself accordingly
Soon, you'll find yourself laughing out loud.
(何にもなれはしないなら
形だけでも繕って
何かを成し遂げたフリをして
ずっと笑っています)
I wonder what's considered as not enough?
Tell us, at the very least, what's considered fine
This depressing moment before 7AM
Makes me want to sleep a bit more..."
(足りないものは何だろうな
何は無くともこれでいいか
憂鬱な午前七時前は
ああもう少し眠らせて)
注:原曲歌詞は初音ミク Wiki「インタビュア」より
これは、クワガタPの「インタビュア」という曲の2番のフレーズです。子供が大人になることはわかっていても、それでも今は大人の声を聞きたくない、拒絶したい、そういうティーンエイジャー特有の気持ちにスポットをあてた歌詞です。
もうひとつ別の例をあげてみます。これは、みきとPの「小夜子」または「Evening Child」という曲です。この歌は、鬱病で自殺を図った誰かの視点で書かれています。でもその根底には、みんな同じなんだよ、あなた一人じゃないんだよ、だから「Evening Child」にならないように戦いなさいというメッセージがあり、リスナーを勇気付けてくれます。
"There's nothing inside the refrigerator
So I'll just have the usual herbal green tea
One pill with the rest gives lightness in my chest
I'm full of anxiety
(冷蔵庫の中には何にも無い 只あるのはお茶とお薬
一錠ごとに胸がふわふわ 不安が満ちてく)
My fingertips brush gently across my iPhone
My hair is so sticky and clingy
Not one beautiful thing
I don't expect it to be.
(iphone 撫でるその指先も べたべたと粘る髪の毛も
何一つ綺麗なもんなんて 有る筈も無いな)
I want to die, I want to die, gently
I make a mistake, my wrist is so scarred
Before I know it, it's dirtied into a light brown
I shut my eyes
The coming of morning through the crack in the curtains
I don't expect to notice it."
(死にたくて 死にたくて そっと
間違って 傷をつけた手首は
いつしか茶色く汚れてる
締め切ったボクの瞼
カーテンの隙間に朝が来ても
気付く筈無い)
注:原曲歌詞は初音ミク Wiki「小夜子」より
歌に込められた思いが皆に伝わった証拠として、「小夜子」はオリジナルのニコニコ動画でも、転載されたYoutubeでも、非常に多くの人に歌われる曲となりました。日本語だけでなく、あらゆる国の言葉に翻訳されて、この曲が広まりました。
個人的な話では…、私もこの歌に救われました。ひどい鬱に苦しんでいたのですが、なんとか乗り越えることができました。今思うとなぜあんなにベッドの上で何もせずいられたのでしょう。たぶん人生は無意味だとか、誰も私のことを気にしていないとか、そんなことを考えていたのかも…。自殺を図ったこともあります。それは幸いにも失敗に終わりました。(自分のことを語りすぎたかな、聞き流してください)
どうです、とっても人間的でしょう?
他にも言いたいことはたくさんありますが、できればボーカロイドの悪い面だけ見ず、良いところも探してみてください。まあボーカロイドコミュニティも、はっきり白黒つけられる部分だけでなく、怪しいグレイゾーンがそこらじゅうにありますけど。
(中略)supercellのryoの話とか、自分も歌手に一歩踏み出せたとか、ボカロ成功体験の実例、省略。
何かを酷評したり、見下げたり、つばを吐きすてるだけの人は、そういう態度は、素晴らしい物事と自分を遠ざけるだけと気づいてください。そんな人たちに対して、私は首をふり、「もっと大人になってください」としか言えません。
★★★[Eruntien]
↑Aelitaさんすごいよ、感動しました。ミクのことを全く知らない記者が書いた記事は、正直どうでもいいんですが、あなたのコメントを読むことができただけでも、ここにきた甲斐がありました。
★★★[9095.]
記者さんは初音ミクをよく調べたようですが、単に表面的なことに止まっています。「初音ミクはいかにして日本で人気を得たか」というテーマであれば、たとえば楽曲の作者について調べたり、ミクのコンサートについてもっと正確な情報を得たり、多くのマスコットの中でも特殊なミクの位置づけなどについて深く情報を掘り下げるべきでしょう。
タイトルにひかれて読みましたが、内容はまったく違いました。これは「初音ミクが成功した理由」ではなく、あなたが「初音ミクに失望した理由」です。よりふさわしいタイトルは「初音ミクの本質は目に見えないところにあるようだ」とでもすべきでした。そのテーマを選んだとしても、あなたがより注意深くリサーチするなら、よりよい記事が書けたろうと思います。
★★★[CV09]
ファンが作った曲って言ってるけど、そのファンが実際どんな人たちか調べたの?
セガのコンサートだけじゃなく、他にもVocaNicoNightとかファンイベントがいろいろあって、会場もネット配信も多くの観客を集めてることは知らないの?
Ryoや、DECO*27や、じん、他にも大勢すごいミュージシャンたちがボーカロイドをきっかけに名声を得たことを知らないの?
まさたかPや、わかむらPや、ブラザーPが、MikuMikuDanceで素晴らしい作品を作ってることも知らないの?
hukeや、鈴ノ助や、しづが作った信じられないほどすごいボーカロイドPVを知らないの?
こんな動画も見たことないんでしょう?
http://www.youtube.com/watch?v=7aXH2srYRfY(Freely Tomorrow)
http://www.youtube.com/watch?v=vbnYTQmwhuI(Glorious World)
http://www.youtube.com/watch?v=Mx3yhuOBRMg(Nebula)
http://www.youtube.com/watch?v=hG_sCXBBZ-I(みんなみくみくにしてあげる♪)
いままでボーカロイドを知らない人たちが「バーチャルアイドル」という側面だけでミクを取り上げるのをたくさん見てきました。それに比べれば、あなたはよく調べて記事を書いてくれてると思います。でもミクだけじゃないんです。ミクを支えるクリエイターがいなければ、彼女は何もできないんです。あなたの記事が、そうしたクリエイターたちに少しでも脚光を当ててくれればよかったと思います。
★★★[SummerSparrow]
まるで高校生がグーグル検索で調べて書いた記事みたいじゃないか。こんなやつ編集部から追い出しちまえ。
1. なぜ今頃になって2011年のシンガポールコンサートを取り上げたんだ? 今年10月2日の香港コンサートと10月6日の台湾コンサートが最新だろ?
2. 初音ミクはVOCALOIDという歌声シンセサイザのソフトだ。クリプトン社のマスコットではない。ドコモダケの仲間だって? 曲はファンが作ったものだが、いくつかは意外に良かった? ハハっこりゃ傑作だ(大笑い)
(以下、お怒りの言葉が続く。省略)
★★★[Giselle Shah]
これはひどい。完全にリサーチ不足。彼は明らかにボーカロイドについて何も理解していない。そのうえ、どうやらボーカロイドが好きな我々を見下しているようだ。
★★★[Abbigail Thelen]
↑同感。記事の中身うんぬんより、彼が上から目線で我々を頭のおかしい集団のように見ているのが一番腹立つんだよ。
★★★[Jason ZiQi Huang]
うわあ、初音ミクが本物か聞いてきた女の子に、あれは本物じゃないって言ったの? それサンタはいないって言うのと同じじゃない? 小さな子の夢を壊してあげたんだね。なかなかできないことだよ。
(このコメントの他にも、「女の子がかわいそう」という意見が複数)
★★★[doriellis99]
科学や技術に関する優れた視点で、WIREDはずっと私のお気に入りだった。そんなWIREDだからこそ、今回の記事には非常にガッカリさせられた。
(以下、無知と偏見が記事の質を落としていることについて、長文のツッコミが冷静に淡々と続く)
結論を言おう。ジェームズ・ベリーニくん。私は記者としての君を尊敬できない。この記事を書いたことを君は恥じるべきだ。
★★★参考:そのほかは結局、次のようなコメント多数
(1) いろいろ調査不足だろ
(2) クリエイターへの言及がないのはなぜ
(3) 上から目線でボカロファンが馬鹿にされてるみたい
(4) 女の子かわいそう
(5) WIREDともあろうものが、なんたることだ
>WIRED(日本版)
掲載誌
>アマゾン「Wired [US] November 2012」

facebook「初音ミク」での紹介ページ
>facebook「HatsuneMiku」

関連ページ
>初音ミクが「革命」だとほめちぎっている英文記事があるらしい件
>「The Sound of the Future」という長文レポートが翻訳されているらしい件
>海外でホログラムを使用したパフォーマンスが話題になっているらしい件
>トゥパックがらみの動画記事にも初音ミクが取り上げられているらしい件
>ロサンゼルス・タイムズ が初音ミク現象を大々的に伝えているらしい件
>出た!海外サイトに長文の初音ミク記事1…「The Atlantic」
