>CHICAGO SUN-TIMES「これを聴け? 2011年ベストコンサート」(By トーマス・コナー)

今年の3月、テキサス州オースティンで開かれたサウスバイサウスウエスト音楽会議においてロック評論の大御所エド・ワード氏は次のように言った。
「最近の若者は路上でイヤホンを付けて音楽を聴くんだよなぁ。でも音楽は、頭の中で鳴らすものじゃない。広い会場で聴くべきものなんだ」
確かに。
今やどんなパフォーマンスも携帯で見ることができる時代だが、部屋に寝転んで音楽を聴くのは不健康である。生身の肉体とスチールが発生する振動を全身で感じるのは、小さなブリキのスピーカーで音楽を聴くよりずっといいんだ。次に挙げるのは、会場に行って聴けばもっとよかったであろう11のコンサートである。
1. アデル(5月24日/Riviera Theatre)
(略)
2. ポール・サイモン(5月16日/Vic Theatre)
(略)
3. ジェイ・Z&カニエ・ウェスト(10月30日/United Center)
(略)
4. ジャネル・モネイ with ブルーノ・マーズ(5月27日/Aragon Ballroom)
(略)
5. キッズ・ディーズ・デイズ(8月5日/Lollapalooza in Grant Park)
(略)
6. ポール・マッカートニー(7月31日/Wrigley Field)
(略)
7. ザ・キルズ(5月4日/Vic Theatre)
(略)
8. オフ!(7月16日/Pitchfork Music Festival in Union Park)
(略)
9. スマッシング・パンプキンズ(8月14日/Riviera Theatre)
(略)
10. エディ・ヴェダー(6月28日/Chicago Theatre)
(略)
11. 初音ミク ライブパーティー2011(11月10日/Chicago AMC River East 21)
明らかに今年もっとも普通じゃなかったコンサートである(そして私が最初に書いたのとおそらく正反対の方向性だ)。劇場公演といっても、これはテレビ放送をみんなで見るようなものだ。この日本のトップスターは、魅惑的な一方で、こりゃなんだとも言いたくもなるような未来の姿を垣間見せてくれた。生バンドをバックにして現れた初音ミクは、歌い、踊り、宙を舞い、衣装を着替え、さらに男装までしてみせた。彼女は人間ではない。そう…彼女はコンピュータが合成した、仮想キャラクターである。3D映像の彼女は、テレビゲームのような青い髪の少女の姿と、サンプリング音声から作られている。そして観客は、彼女がまるでそこに実在するかのように喜ぶ。だが、この奇妙な世界において、彼女は本当に実在しないと言えるのだろうか?
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